鯉 の ぼ り

江戸時代には5月の節句に武家では、旗幟、挿物、吹流し等を飾り立てました。しかし、町家で立てることは許されなかったので、旗挿物の代りに鐘馗(しょうき)や武者絵を描いた幟を立てて、吹流しの代りには、鯉の形を吹貫きとすることを創案して、これを民家で立てました。鯉は出世の魚といわれ、勇気と成功の象徴とされています。鯉は、竜門の滝を登り竜となって天に昇るといわれ、俗に出世の場所を登竜門というのはそれから起こりました。

また、鯉のぼりには五色の「吹流し」をつけます。風や雲になぞられてあり、大空を泳ぐ鯉をいっそう引き立てています。青、赤、黄、白、黒の五色は五行(木火土金水)に例えられており、邪気を払うとされています。
五月の空に雄々しく舞う鯉のぼりは、五月人形とともに、端午の節句の主役になりつつなります。

 



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