一番上段が内裏びなといってお殿さまとお姫さまね。普通は向かって左が男びなで右が女びなで飾るけれど、左上位の制度のあった唐の文化の影響を受けた平安時代の流れで、都だった京都や関西地方へ行くと、当時の形(男びなが向って右、女びなが向って左)で飾っているところがあるのよ。

現在の並び方は外国の皇室を招いたり国際交流がさかんになり皇室の宴席でも西洋式に合わせる形で標準化されたといわれているの。
それからお内裏さまの下の段の三人官女はお祝の白酒を持ってお仕えをする係の人たちね。ご馳走係ってわけ。次の段は五人ばやし。この人たちは、むかしからある音楽を演奏する人で、今でいう音楽団の人たちね。

その下の段の随身(ずいじん)(右大臣・左大臣)というのは、家や人を守るのが仕事なので弓・矢を持っているわけね。
その下の段は仕丁(しちょう)(衛士)といって、いろいろなお仕事のお世話をしているの。この段に向かって右に桜の木、左に黄色の実のある木が飾ってあるでしょ。これは左近のさくら、右近のたちばなといって、京都の御所のお庭に植えてあるのをそのまま真似しているの。御所車は天皇さまのむかしの乗りもの。おかごは貴族や大名やお姫さまの乗りもので、平安時代からの貴族、大名の様子をあらわしているのよ。

 

 

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