むかしはお医者さんが少なく良いお薬もなくて、病気にかかる人が多かったの。そこでどのお家でも赤ちゃんが生まれると、その赤ちゃんが病気にかからないようにって、お人形をつくって枕元においたり、寝ている部屋においたの。

その人形というのが、天児(あまがつ)這う子(ほうこ)という、ちょっと立っているおひなさまに似ているけれど、天児の方は天皇さまのおこさんに使われたもので、這う子の方がふつうの家で使われたものなの。このお人形さんが、赤ちゃんの病気やけがという、悪いことを全部もらってくれるものと考えていたの。

 

 

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